hot eyes

Open App

「ただいまー」
「お。......おかえりんごスタ~★」

葉瀬(ようせ)は声を聞くと玄関へと向かい、帰ってきた玲人(れいと)を出迎えた。
「これ、引き出物。飴らしいから後で食べよ」
「飴ちゃん~」
今日、玲人は学生時代の数少ない友人の結婚式に出席していた。そして引き出物は飴らしい。

玲人が服を着替えてソファに座り、葉瀬は飴を口に入れながら結婚式の話を静かに聞いていた。
「それでね!新婦さんめっちゃ綺麗だった!新郎の......あ、俺の友達な。その新郎がサプライズで手紙俺達に読んでくれてさ、感動した~」
玲人が嬉しそうに話すのを、葉瀬は時々相槌を打って聞く。

「なんか......結婚っていいなぁ、って」

玲人がポツリと呟く。葉瀬は「じゃあ結婚する?」と言い続ける。
「まぁ、その前にプロポーズだよね」
スッ、と葉瀬が玲人の手を取って目を閉じて、手の甲に軽く口づける。

唇を静かに離し、玲人の目を見る。

「ただ玲人だけを見てると誓うから、私と結婚してくれませんか」

「はい」

玲人は考えるよりも先に承諾の言葉が口から出た。一瞬、部屋に静寂が訪れる。
「......へ。え、嬉しい。え、えー!?ちょっと待って!言っちゃった!!待って綺麗な夜景とかなんか見えるとこで雰囲気作って言おうと思ってたら!!わあぁ!?」
葉瀬は顔を真っ赤にして心が追いつかないのか言葉を発してなんとか気持ちを落ち着かせようとした。

「待って待って待って、もう一回していい!?その...めっちゃカッコよく言いたい...!」
「今でも、十分カッコよかった、よ?」
「ぐっ...!そうなのか......」
「......じゃあもう一回は、俺が言っていい...?今のは俺が承諾したから、今度は葉瀬からの承諾貰いたい...」

話していく内に玲人も段々顔が赤くなっていく。
「が、頑張って今年中には言うから...!」
「ぁ、ぇ......わかっ、た...」


葉瀬はこれからいつ玲人にプロポーズされるか、ドキドキしながら過ごす日々が始まるのだった。


お題 「ただ君だけ」
出演 葉瀬 玲人

5/13/2025, 9:25:55 AM