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「もしも君が」


もしも君が居なくなったら、なんてふと考えて、怖くなる。

若い頃の私は割と荒れた生活をしていて、自暴自棄になっていた部分もあったから、正直「怖い物」ってなかった。
いつ死んでもいい、って刹那的な生き方をしていたし、心残りになる程執着する物もなかった。

それが君が生まれてから、自分よりも大切に思える存在が出来て。
初めて失う事を怖いと思った。
世の中の人って、皆こんな怖い思いを抱えて生きてるんだ、って思ったら、それまで自分が強さだと思っていた物が、ホントにちっぽけで、馬鹿らしく思えて。
自分の馬鹿さ加減に、世間知らずさに、もう笑うしかない程だった。

そして、今でも時々考える。

「もしも君が」
生まれなかったら、私の人生は間違えたまま違う方向に突き進み、何処かで馬鹿な死に方をしていたと思う。
それが、君が生まれてきてくれた事で、こんなにも怖い事を知り、失う痛みを想像してやり場のない不安を感じて。
そして、生きがいを、生きる理由を感じる事が出来た。

「もしも君が」
ずっと幸せで居てくれて、君の人生の最期の時にも、「私幸せだったよ」って言える人生を歩んでくれたなら。
そんなに嬉しい事はないと思う。

苦労してもいい、傷ついてもいい、悩んでもいい。
最終的に君自信が幸せと思える、納得出来る人生を歩んでくれるなら。
それだけが私の今の望みで、きっと、何よりも私の幸せだと思う。

心より願う。
君に、幸あれ。

6/14/2025, 10:43:24 AM