NoName

Open App

『カレンダー』



「……はぁ。」

ソファーが揺れる程勢い良く座る。というか飛び込む。
で、こんな行動にもワケがある。
今、俺はクソ程疲れている。
なんでかって……

「グループ活動、ほんっとクソ……。」

学校でグループ活動があった。それも生徒が個人個人でグループを作る奴。
こんな協調性、発言力、やる気共にゼロな奴、だぁれも引き取りゃしない。

「消える、か……。」

SNSで時々、『消えたい』と言う奴が居るが、俺の場合もう既に消えているから消えようがない。というか寧ろ知られててほしい。いや、皆俺の事を知ってて無視してるのは知ってるんだが。

「…頭痛ぇ…………」

俺が皆から、『居ない者』扱いされたのはいつからだろう。そんなの、今更知ったって何にも変わらない。
誰からも。家族も、同級生も、お偉いさんも。
みぃんな、見て見ぬ振り。ここまで来ると、逆に清々しい。
誰にも気を使わず騒げるし、逆に助かる。

「……多分、小学生の頃か。」

形だけの勉強机に乗ったカレンダーを見つめ、呟く。
あの勉強机、今はゲームとかパソコンの作業とか、そういう事にしか使ってない。
正直、授業だけで十分理解は追い付く。というか先を越している。
…俺の頭が、学校にとって場違いなだけなのだろうが。

「だから何なんだ。…………知るか。」

最近の会話は、自問自答しかしていない。そうでもしないと気が狂う。
もう、手遅れだろうが。
脳に悲観的な思考がカビの様に付く。
棄てられた?罪を犯した?気味悪がられた?何かおかしい点があった?

「っ…く、うっせぇ、何なんだよ…………。何なんだよ……!」


怒りが少し混じりながら、またカレンダーを見つめる。
俺の部屋に見所が全くないからなのだが。

「…っ、まだ月曜かよ………っ、はぁ…。」

もう、疲れた。何もしていないのにも関わらず。
それでも、まだ頭はズキズキ痛む。

9/11/2023, 1:02:39 PM