黒猫

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降りしきる雨が、涙を隠してくれた。

突然の別れだった。
恋人から「別れよう」という言葉に頭が真っ白になった。
順調だと思っていた二人の関係。
何故、別れを告げられたのか理解できなかった。

縋ろうとすることも許さない態度の恋人に
何も言えなかった。
何かを隠していると気づいてはいたけれど、
けれど、憶病な私は聞くことができなかった。

別れたくなかった。
もっと一緒にいたかったのに。

次から次へと溢れ出てくる本音は、誰にも届くことなく、
ただ涙として流れていく。

6/2/2025, 11:08:50 PM