お題 透明
親友
私の親友は可愛くて、優しくて、とても綺麗な人だった。
誰に対しても優しくて皆に好かれる存在で私とは真反対の人。
こんなだめだめな私といつも居てくれて、笑ってくれて、時には泣いてくれた、そんな親友が大好きだった。
でも、そんな親友はもうどこにもいない。
病気が悪化して今年に入ったすぐ、天に昇った。
それから私は何もやる気が起きず、ずっと部屋に引きこもっている。
でも、なぜか今日はやる気があって珍しく部屋の掃除をしている。
机の横についている棚を久しぶりに開けてみた。
すると1つの手紙が目に入ってきた。
『○○ちゃんへ。』
大好きな親友の字だった。
そういえばこれは私が居なくなったら読んでね、と言われていた手紙だ。
ショックで手紙の事をすっかり忘れていた。
居なくなって時間が経ったけど今読むね。
手紙を開けるとそこには私と親友の思い出が沢山書かれていた。
一緒に部活をした事、一緒に先生に怒られた事、一緒に放課後遊びに行った事。
便箋三枚分、びっしり書かれていた。
そして最後の四枚目、何が書かれているだろう、とわくわくしながら読む。
そこには私への応援メッセージが書いてあった。
『私が透明になって○○ちゃんの目には映らなくなっても、私はずっとずっと○○ちゃんの親友で味方だよ。』
そう書かれていた。
私の親友は今までずっと、私の近くて応援していてくれたのだ。
透明になってしまった今でも、私の隣で見守ってくれていたのだ。
それから私は学校にも通い、部活にも顔を出し、
いつもの日常に戻った。
全ては親友のおかげ。
「ありがとう。」
『こちらこそ。』
5/22/2024, 3:54:38 AM