「......課題が終わらない...」
陽太(ひなた)は机の前で頭を抱えていた。
「だから早めに終わらせとけって言ったのに」
真人(まひと)は向かい側に座ってその様子を眺めていた。
「うぅっ...やろうとはしたんだよ!でもぉぉ」
「休みが終わる二日前にこれだけ残ってるとか、マジで絶望だな」
「もう無理だぁぁぁぁ諦めるぅぅぅ」
陽太は投げだし、床に寝そべった。
はぁ、と溜め息をつく真人。
「わ、わかったよ。やるよ、ごめんって」
「...終わった課題は?」
「え?」
「丸つけぐらいならしてやるよ」
「え!?本当に!!?」
「ハーゲンダッツ一個な。.........冗談だからそんな顔するな。いつものアイスでいいよ」
「真人ぉぉぉぉ神様ぁぁぁぁ」
「陽太、お前は口じゃなくて手を動かせ」
「あ、ハイ」
「...お......終わったぁぁぁぁ!!!」
最後の一問を書き終えると、陽太は両手を天井に向けて背伸びをした。
「良かったな」
「あれもこれも全部真人のおかげだよぉぉぉ!!!ありがとうな!!」
「俺丸つけてただけだけどな」
「だとしても、すげー助かった!!...そうだ!」
そこまで言うと、陽太は部屋を出て階段を駆け降り、急いでまた戻ってきた。
「これ、お礼!」
そう言って差し出してきたのはハーゲンダッツ。
「え、いいのか?それに俺が食べて...」
「おーっと?真人だけが食べるなんて言ってないよ?」
反対の手からもう一つのハーゲンダッツが出てきた。
「共犯になってくれよな」
「ん~幸せ~」
「...そういえば、夏休み明けたらテストあるけど陽太大丈夫か?」
「...............ハーゲンダッツ美味しいなー」
「おい」
お題 「現実逃避」
出演 陽太 真人
2/27/2024, 3:21:10 PM