雨上がり。2人で初めて学校をサボって、塾も休んで、ただ時間を忘れて遊ぼうと思ってた今日。
生憎の雨だったから、行きつけの図書館で本を読んで過ごしていたら、雨がいつの間にかやんでいた。
そして外に出ると、貴方はあっと声をあげた。
「ねぇ見て、虹」
「ほんとだ」
優等生を辞めた私たちに似合わない、七色の虹。
今まで見た虹の中で、いちばん綺麗に見えた。
「これは、神様からのプレゼントだ」
「こんな、出来損ないに?」
「神様は優しいから、こんな私たちにも幸せをくれるんだよ。だから、自分を封じこめて優等生を演じるよりも、自分の好きなことをやった方が、こういう神様からの些細なプレゼントに気づいたりするの」
だから、と貴方は私の方を見た。
夕暮れと被って、より眩しく感じる笑顔だった。
「これは、優等生を辞めた私たちへのプレゼントなんだよ!」
2/22/2025, 12:56:08 PM