こっこ

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踊るように

駅前のこじんまりした靴屋さんの子供の靴コーナー。
私の目がハートに輝いた。
「ママ。あれが欲しい。」
ずっと欲しかった苺色の赤いブーツ。
店員さんが棚から下ろしてくれた。
「わー。ぴったり!」
一年生の中でも体が小さな私の…。間抜けの小足ちゃんとパパにからかわれる私の足に、その真っ赤なブーツはよく馴染んだ。
シンデレラってこんな気分だったのかしら。
硝子の靴を履いた瞬間のシンデレラを思い浮かべた。
お店を出ると、チラチラと雪が舞い始めた。
駅前通りをピカピカの真っ赤なブーツを履いて、踊るように歩いて帰った。
あの冬の日。

9/8/2023, 6:34:55 AM