NotNoName

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「1名様でお待ちの…逆さま〜」
そう読み上げた店員の低い声は途中から急に甲高くなった

「奥の方へご案内致しません」
錯乱しているのか彼は手前にある入口へ案内する

「す、すみま1/1000」
店員はそう言いながら頭を下げず後方へ反り返った

後ろにたまたま座っていた私と反転した彼の目が合った
謝罪の場面に反するように彼の表情は満面の笑みだった

狂っている 自分が呼ばれるのを待ってる場合じゃない
早くこんな店から出なければ

そう思い急いで出した私の脚は店の奥の方へ向かっていた

12/7/2023, 6:02:01 AM