郡司

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昔むかし、とても素敵な夢を見た。目が覚めてきた自覚があって、「たいへん、まだ眠っていないと、ここから離れちゃう」などと思ったが、夢に戻ることはできなかった。そのとき見た夢は今も大切に胸の最奥にしまってある。
ちょっと昔、宝くじに当たった夢を見た。目が覚めた後は複雑な気持ちになった。

眠って見る夢、生きる現実のなかの道行きに展開したい希望、ひと言で「夢」と言ってもいくつものニュアンスがある。どんな「夢を見ていたい」だろう。

私はたくさん、逃げることを試みた。そして、どんなに逃げても、絶望的なまでに「らちがあかない」のが自分の現実なのだと観念した。本当に嫌なものや怖いものから逃げおおせることは出来ない。なら正面から突破…というか根本から解決しなければ、それらに「バイバイ」できないのだ。でもどうすれば良いのかわからない。
 結果から言えば、夢なのか夢じゃないのか判らない経験に助けられて、私の心臓は今も無事に鼓動を打っている。

私が見て自分の力になる夢は、自分の現実の道から遊離した夢見ではないようだ。想像力が創造力へ導く、生きてゆく現実に光のような希望を見る「夢」が、私にとって「夢」であるらしい。

どんな人生を生きていたいかを示すねがいを「夢」として考えるので、その意味で私は「夢を見続けたい」。時々それをアップデートすらするだろう。生きる熱を携える夢を。

1/13/2024, 3:41:25 PM