雨亭

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鏡の中の自分を、認められない時があった。

いつもどこかの誰かになりたくて。

なりたい自分を演じて映して、それを本当の自分だって思いたかった。

もしも自分がもう1人いたなら、あの時はあの子のことをすごく雑に扱っていた。

他人には人一倍気を使うのに、その優しさをあの子には向けてあげられなかった。

あの子のことは、どれだけ傷つけても大丈夫だって思ってた。

近過ぎて見えなかったけど、あの子も1人の人だった。

たくさん傷つけたから、すごくボロボロだったのに、分かってたのに、「私もう立ち上がれない」って、全てが手につかなくなるまで気づけなかった。

ああ、そうだった。

あの子は、私だった。


-あなたは誰-

2/19/2025, 6:14:48 PM