「これで最後」
私は月明かりの下で、想いを書き綴った。
かつて一緒に過ごし仲間達、初めて恋した人を思い浮かべる。
余命宣告された時は頭が真っ白になった。
「なんで私だけ…」と何度思ったことか、
周りと同じように、青春して、大学入って、就職するんだと勝手に思ってた。
でも、みんなに伝えたら、沢山の思い出を作ろうとしてくれた。おかげで、写真だけでスマホの容量がいっぱいだ。
ある時、ふと口にした。
「天国ってあるのかな」
「俺はあると思う。今まで頑張ってきた人が天国で贅沢三昧してると思った方が都合がいいだろ」
青空の下、その青年は太陽に負けないぐらい眩しい笑顔で言った。
日記を閉じる。
時はいつだって残酷に平等に過ぎていく。
ふと、体が軽くなり楽になる。
穏やかな表情で目を閉じる。
静まり返った夜、机の上には一冊の閉ざされた日記があった。
「閉ざされた日記」
1/18/2024, 2:27:56 PM