【逃げられない】
私は今追われていた。いろんなハンターたちに。この世にはいろんな種族の生き物が存在した。魔族、亡霊、人間、吸血鬼。私は吸血鬼のレミリア・スカーレット。紅魔館の主であった。しかし、自分勝手な人間は「吸血鬼が人間の血を吸って殺すかも」という噂を流し、それがあたかもほんとに起こると信じたバカが私たちを捕まえ滅殺しようとしている。実際、この世界の吸血鬼は人間の血は吸わない。また、本に書かれているような太陽だったり十字架だったりも我々には効かない。ハンターたちも、私が木陰で休んでるときに十字架を見せつけ縄を持って待ち構えていたこともあった。何も理解せずに来るのが悪い。
ハンター「いたぞー!吸血鬼だ!」
今は森の中で彷徨い続けている。
ハンター「どこだ?出てこい!」
レミリア「は、は。」
一様羽はあるが体力がなくて飛べそうもない。走るのだってままならない。
ハンター「あそこだ!」
見つかった。私の人生はここで終わるのか。
?「ほんとにそれでいいの?」
心の中でその言葉が響く。そうだ。私はこんな場所で終わってはいけない。抗い続け、いつかもとの共存世界に戻そう。そう決意した。
ハンター「ハッハッハ。もう逃げられないぞ?」
レミリア「逃げる?誰がって?何も理解せずに来たバカたちはかわいそうに。見つけたのが私で。」
数十人程度。一瞬で終わらせる。私は、足を1歩踏み出した。
一瞬にして決着がついた。鬼の強さに天狗の速さ。それを前にして迎え撃つ敵などいない。という名言が吸血鬼にあった。まさにそれだろう。
レミリア「う。」
どうやら体力の限界が来てしまったらしい。私は薄れゆく意識の中。最後に視界に誰かが写った。
知らない天井。
レミリア「え?」
私は目を覚ました。ここはどういう場所か。私は捕まってしまったのか。いろんな疑問が頭をよぎる。
海星「目ざめた?」
私は跳ね起き、いつでも逃げれる体勢になった。
海星「安心して。僕はハンターじゃないから。」
レミリア「そうやって、私をだまそうとしてるんじゃ。」
海星「してないよ。君が倒れてたから、治療するために連れて帰ったに過ぎない。ほら、その腕と足。戦ったの?」
私は私の腕と足を見る。包帯が巻いてあった。
レミリア「まぁ、そうね。一応戦ったわ。」
海星「そうかい。何食べたい?」
レミリア「話の変え方下手すぎない?」
海星「え?そんなに下手っすか?」
わからない。この男がどのような行動をするか。
海星「まぁいいや。んで、何食べたい?」
レミリア「じゃあ、ステーキで。」
海星「いいぜ。ちょっと待っててな。」
そう言って部屋を出る男。わけがわからない。言われている吸血鬼をかばうような行動をして、なんの意味がある?
数分後。
海星「はい。参りました。ステーキです。お熱いので食べる際には気おつけてください。どうすっか?今の。店の定員みたいじゃなかった?」
レミリア「定員なら、この食べ物に毒がないか確かめて。」
海星「つまり、毒見をしろと?」
レミリア「そのとうり。」
海星「じゃ、いただきます。ん~~。おいっし。まじ最高。このタレかけたら美味しいよ?あ、これ毒見だった。僕の分持ってくるから食べとって。」
そう言って、また部屋を出る男。その後すぐに帰ってきた。
海星「お待たせ。あれ?食べてなかったの?冷めてるじゃん。僕のと交換しよう。」
レミリア「あなたがこのようなことをする理由を教えて。」
海星「そうかぁ。なるほど。僕の行動に疑問を持ってたわけね。まぁ、理由なら言えるけど、この写真を見て。」
レミリア「これは…」
海星「僕の隣にいる女性。花奏っていう名前なんだけど、種族が魔族で出会った当初は苦手なタイプだったんだけど、関わってとても仲良くなったんだ。」
レミリア「今はどこへ。」
海星「この世にはもういないんだ。今回の件みたいにハンターに殺されたんだ。」
レミリア「そう。」
海星「花奏のような人がこんな目に遭わないためにも人間と他の種族との共存を夢見てる。」
私と理想は同じだ。
海星「だから、吸血鬼だろうが魔族だろうが、僕は困っていたら助けるさ。それだけの話。」
私は、交換してもらった皿の上に乗っていたステーキを食べ始める。あい変わらず、私は真面目な言葉に弱いものだ。
レミリア「名前は?」
海星「佐々木海星。22歳。社会人です。よろしく。そちらは?」
レミリア「私は紅月の下のレミリア・スカーレット。こちらこそよろしく。」
ここから、私たちの革命が始まる。…。
5/23/2024, 12:53:16 PM