「保身」
真っ白な羊が一匹
草原の中を彷徨っている
真っ暗な夜の中で
草原の中を彷徨っている
空には星が瞬いていた
きらきらと瞬いていた
草花からは青い匂いがした
行く先を感じる匂いがした
羊はどこへだって行けた
星と匂いが導いてくれた
冬の白い山で飢えに耐え忍び
夏の白い雲には感謝し続けた
しかし最近はずっと独りで
雨雲で星も匂いもなく
羊は広い殺風景な草原の中で
一匹だけで放り出された
羊は何も分からなかった
旅立つべき場所も帰る場所も
羊は唯雨が止むのを待ち
暗く寒い草原を彷徨い続けた
羊の細い足はすでに震えていた
羊の心は不安でいっぱいだった
独りで泣きながら歩き続けて
外の世界へ行く事はなかった
題材【星空の下で】より
体力ももうありません
4/5/2026, 11:35:13 AM