理玖

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大丈夫、ここから出してあげる。

私が孤児院の地下牢に捕まっているのを助けてくれた女

の人の顔は酷く悲しそうだった。

『待ってて』

ってお母さんに言われたから待ってるんだよ。

いつ迎えに来るのかなんて分からないけど、

待っててって言われたから。

いつも私が悪い子だからお母さん怒るんだ。

でも、私いい子だから待てるよ。

なのにね、どうしてこんな所に入れられるの?

外に居ないとお母さんが私に気づいてくれないのに。

私は特別だかららしいけど、よくわからない。

たまに来てくれるのはお医者さんみたいに白衣を来てる

人が来る。

私の手に注射を打ってどこかへ行ってしまう。

最初は怖くて、泣いてたけど

泣いてたらお母さんに悪い子って言われるから我慢した

それからたくさん、たくさん待った。

そしたらお母さんじゃなくて知らない女の人が迎えに来

たんだ。

私はもう起き上がれなかった。

「この子は虐待を受けていた子です。本人は捨てられた事の自覚がなく、母親を外でずっと待つって聞かなかったんです。安定剤を打って大人しくさせてたんですけどもう手に負えなくて。ここへ移してからはずっと壁を手で削ってるんです。」

「、、分かりました。あなたお名前は?私は𓏸𓏸よ。あなたを助けに来たのよ。」

??意味がわからなかった。私を助けに来た?どうして

助けるんだろう。

私は何も傷ついてないのに。

私は血だらけの手と、頭の痛みを忘れて壁にぶつかり続

けていた。

絶対にここを出て、家に戻る。お母さんに会うんだ。

そして、、

『なんで迎えに来なかったの?』

って聞くんだ。

2/13/2024, 2:53:10 PM