錆びついた自転車のペダルを漕ぐ足が、ふと軽くなる瞬間がある下り坂、夏の終わりを告げる湿った風が吹き抜けると、自分の隣にいたはずの気配が今もそこに混ざっているような錯覚に陥る田舎の単調な風景は、あの日から何ひとつ変わっていないただ、入道雲の下で笑い合った片割れの輪郭だけが、陽炎のように透き通り、風に乗って空へと溶けていってしまった僕らが抱えていたのは永遠だと信じて疑わなかった、あまりに不確かな夏
4/30/2026, 8:54:49 AM