消えない灯り
床に横たえた黄金の十字架の中央に、十一枚の薔薇の花弁を慎重に並べた。黄金の暁教会の本来の象徴では二十二枚の薔薇の花弁を並べるが、これは私のための儀式である。私の生命数は十一なのだ。蠟燭に火を点け、香を焚き、目を閉じる。今夜こそはアストラル投射に成功するだろうか? 閉ざした眼裏に光り輝く炎、あれこそが私の求める消えない灯りだろうか? 集中していたのに肩を叩かれて私は現実に戻った。
「もう十二月なんだから布団で寝ないと風邪引くぞ」
そうだよね、あなたは私を現実に戻してくれる。あなたは消えない灯りではないけれど、私の大切な灯り。
12/6/2025, 11:02:46 AM