わをん

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『君からのLINE』

せっかくの連休だからと時間を気にせずゲームをしていたら夜から朝になっていた。明るみはじめた窓の外を見ながらベッドにのそのそと寝転びぐうすか眠っていたところ、スマートフォンから通知音が鳴る。
“今日ヒマ?”
暇ではあるけれど徹ゲーしてたので寝てたい。
“寝て起きても夕方じゃなかったら掃除しに来て”
りょ。
やや寝ぼけながらのメッセージのやりとりを経て目が覚めると時刻は昼を過ぎたところ。
「……掃除?」
どこへ掃除しに行くのか、そして誰とのやり取りだったのかを確かめようとアプリを見てみるけれど、誰ともやりとりをした形跡が残っていない。ならばあれは夢だったのかと思いながら水を飲み、シャワーを浴び、昼ごはんのカップ麺をすする。なにげなくカレンダーを見て来週も三連休だなと思ううちに掃除というワードに思い当たった。
「墓掃除か」
来週は秋分の日であり、あの世とこの世が近づく秋のお彼岸でもある。夢にまで出てメッセージを送ってきた人物はおそらく自分のご先祖のうちの誰かなのだろう。頼まれては行くしかないな、と観念して残りわずかのカップ麺をすすりあげた。

9/16/2024, 3:55:46 AM