清浄を謳い囲われた透明の檻
目に見えずとも、そこはきっと血と涙で出来ていた
息苦しさに喘いでも
澄ました顔で舞い踊ろうとも
得られる答えは変わらないまま
気紛れに伸ばした手は、熱に爛れて、鳥虫に啄まれ
生まれた頃から太陽に嫌われていた
訳も分からぬ喪失を埋めたくて
塗り潰された誰かを満たしたくて
懲りずに私は水底を蹴る
神々が手遊びに作り上げた小さな世界
捏ねられ生まれ落ちた人形達は
誰に唆されるまでもなく、創造主の真似事を始める
即ち遊戯、盤上から滴り朽ちるまで
遥かな時が流れても、言葉は刃に、指先は弾丸に
飛び交う砲撃で絶えず穴だらけの街ならば
仮面を被らねば一歩も外には出られない
池の隅で泡に揺られ転がるばかり
走り書きの顔では、路傍の花にも立ち向かえない
かつて導いた戦乱の終わり
失った太陽を追い求めるように
私は目を伏せ、冷えた掌から悉くを解き放った
この鎖した心を照らすものなど二度と訪わない
これが、凍えて眠る私への
宿痾とも呼ぶべき白日を落とした罰なのだと
穿つように拒んだのに
叫ぶ心を閉じ込めたのに
何度も何度も、繰り返し傷付けてきたのに
黒い両手がこじ開けて、当然とばかりに応えるから
人々は朝日の到来に背けない
私だって、そう、強引に手を引く黄金の帷を
悪態の裏で胸を弾ませ
射抜く蒼穹はきっと、逆様な心すら見透かして
無垢に笑う
悟りながら清くあり、足掻きながら美しい
私はあなたを、あなたは私を一心に浴びる
あなたは告げる
桜色の唇、燦然と輝く白皙の肌から
幾度擦れ違い、倒れ伏そうとも
二人は定められるまでもなく再会するだろう
それは呪いのようで、契りのようで
いつか世界が滅びても、きっと二人は邂逅する
例え流星の命でも、燃えて示そう
最も古き記憶から、変わらず絶えず灯る光を
(巡り逢い)
4/24/2025, 12:59:58 PM