【カーテン】
子供達にお化け屋敷と呼ばれている家があった
その家は汚れてくすんでおり、木々が生い茂っていた
カーテンはいつも閉められていて誰が住んでいるのか
知る者はいなかった
茉莉はいつもその家を通って出勤していた
ある日、茉莉はあることに気付いた
カーテンの隙間から誰かが茉莉を覗いているのだ
茉莉は恐怖で固まり、動けなくなった
すると窓が開き、中から青白い男の顔が出てきた
「いつもここを通ってますよね。この場所でずっと見ていたんです。気づいてくれて嬉しいなぁ。」
男は照れたよう笑いながら、窓を潜って出てきた。
男は悪びれる様子もなく、茉莉を家に招こうとした
だが、危険を感じた茉莉は逃げ出そうとした
すると男は豹変した
男は細く弱々しい体から出るものとは思えない力で
茉莉の腕を掴み、家に引きずり込んだのだ
茉莉は暴れるように抵抗し、逃げようとした
しかし、努力も虚しく彼女は部屋に閉じ込められ、
その生涯を終えるまで部屋から出ることは無かった
男は茉莉を愛し続けた
茉莉はいつしか男に依存するようになっていた
結局茉莉は最初から最期まで男の思い通りだった
最も男は、茉莉がカーテンの隙間から
密かに助けを求めていたことは知らなかったが…
10/11/2023, 1:53:58 PM