絵の具であるとある人は教えてくれて、クレパスだと他の人は告げた。
他人の目というフィルターを通した世界はなるほど色があふれているのだろう。
深遠の月の下、制限された視界ですら単色でなく塗り分けられているという。
その差を言葉でしか受け入れられないわたしは柔らかなシーツと消毒薬の臭いのするベッドで時間を食べている。
あしたはわたしが、カラフルをはじめて理解できる日。
この目と世界を隔てている布がなくなる。
単語でしかきかない色を知っていく。
あなたの顔もしらないいろ。
5/2/2023, 1:43:54 AM