〈お題:星に願って〉
ある時から一つの星が目に付くようになった。
赤い星だ。見上げるほど視線を上げなくても少し空に目をやれば、そこにポツンと赤く光っている星がある。
名前も知らないその星の輝きに少しばかり運命を感じていた。何故なら、もう少し目線を上に向ければ天の川や流星、果ては星座の数々が鎮座しているからである。その下で、件の見劣りする星がポツンと輝いている。
いつしか世界は星の輝きになど興味を失って、星をジッと見つめる人は減ってしまった。
流れ星に想いを馳せる人も減り、“ロマンチスト”でさえ、星を眺めることをやめている。
忙しさの中にもあの日と変わらず、悠然と空を照らす星々にいつかまた感動できる日が来ますように。
2/11/2025, 10:53:24 AM