愛颯らのね

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お題 モンシロチョウ

私の心の中には、いつもモンシロチョウがいる。
物心ついて少しした頃から確かいたと思う。

このモンシロチョウの正体を私は知っている。

これはきっと、私の母だ。

私の本当の母は、私が小さい頃に亡くなっている。

家も、写真も、母も、全て燃えてしまったから、
私は母の顔を知らない。

でも家が燃える前の日に、私はその家でモンシロチョウ見た

母と育てていた芋虫だった。

ちょうど前日にさなぎから蝶になった。

その瞬間に、子供ながら酷く心打たれたことを
鮮明覚えている。

それが母との最後の記憶。

だから私の心の中で、母はまだモンシロチョウとして
生きている。

困った時、辛い時、誰かと話したい時、私はいつも
心のモンシロチョウに話しかける。

でも最近、このモンシロチョウと話すだけではどうしようも
ならない問題に頭を抱えている。

家での私の立場

家が燃えた日、仕事で家にいなくてまだ生きている父と
しばらく2人で暮らしていた。

でもある日、
父は再婚した。

その再婚した女性には私の一個下になる娘もいた。

そして2人とも私を毛嫌いした。

私は母にあたる人の奴隷になった。
妹に当たる人の雑用係になった。

そして父はそのことに気づかなかった。

いや、多分気づかない振りをしていた。

唯一血の繋がった父に見捨てられたのが1番辛かった。

新しい服も学校で必要な物も買って貰えなかった。

人間は、自分と違う人間を除け者にする。

だから私は、虐められた。

約3年。耐えた。

でももう無理。生きていけない。

私は心のモンシロチョウに言った。

今から会いに逝くね。



5/11/2024, 4:04:35 AM