瑠璃

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《感情とリンクする空》
(刀剣乱舞/乱藤四郎)


その日、乱藤四郎はとにかくツイていなかった。

馬当番では馬に髪を食べられ、昼餉は苦手な物が出て、
気分転換に万屋に足を運んだが、欲しかった品が売り切れ、挙句帰り道は雨が降っていた。

「今日は上手くいかないなぁ〜.....」

嘆く乱の気持ちは、まさしく今の天気と同じく泣きそうだった。

「空も泣いてるのかなぁ.....」

乱は、燻る気持ちを吐露しながら雨が止むのを待つことにしていた。


暫くすると万屋街を繋ぐゲートに見慣れた人影が現れた。

「いち兄!?」

「乱が1人で万屋に行ったと聞いてね。傘も持たなかっただろうから迎えに来たよ」

それは粟田口兄弟の長兄・一期一振だった。

乱は大好きな兄の姿を見ると、先程までの心の曇りがすぐに無くなった。

「いち兄を独り占め〜!」

「こらこら。ちゃんと傘を差さないと濡れてしまうよ」

「はーい♪」


空は涙を流すように雨が降っている。

けれども涙と同じなら、いつか笑うように晴れるために流す涙と思えば、雨も悪くは無いと思えた。

9/16/2024, 11:56:39 AM