踊るようにステップを踏みながら歩く彼女。
「そんなに楽しい?」
「当たり前でしょ?だって3ヶ月ぶりのデートだし」
「そっか」
「…ありがとう」
「なにが?」
「今までの人たちは、これだけ日が空いてからのデートだと、なんでこんなに会えないのって言われて、そのあともあんまりいい雰囲気じゃなかったから。で、そのあとに大体別れてた。だから、こんなに楽しんでくれて感謝してる」
彼女は、一度歩幅をあわせてくる。
「そりゃあ見る目がなさすぎよ、あんたもその女たちも」
「そうかもね、ホントに」
「頻繁じゃなくたって、デートできるだけ感謝しろっての。てかデートじゃなくても会えたり話したりできるだけで奇跡だかんね?」
「はは」
「…あたしはそういう考えがあるからさ、過去のやつらとは絶対同じにはならないからね。あんたが人間として終わらない限り別れない、だから安心して」
「…うん、ありがとう。君を好きになってよかった」
「ちょ、そういうことさらっと言うなって!!」
「そっちこそ」
「んーもう!!さっさと行くよ!!」
真っ赤になった彼女はずんずんと歩いていく。
僕は笑いながら、最高にカッコよくて最高にかわいい彼女のあとを追った。
【踊るように】
9/7/2024, 12:36:18 PM