9. 差し出し先は今日のあなたで
昨日はあんなに愛してたのに、今は心の底から彼が憎い。
殺したいほど、憎くて憎いのに、
あぁ明日は結局また昨日の通り愛せてるのだろう。
明日の彼になら私だってこんな刺せないままのナイフひた隠しにして笑えるのに、愛せるのに。
今日の憎しみを殺して眠ってしまえばきっと明日は幸せだ。
だからこの一言を言えずにいる。このナイフを刺せずにいる。
彼が不安定になったあの頃からずっとずっと。
彼の波にさらわれた言葉は戻ってくる度営利になって
今、凶器として私の手に残ってる。
けど明日の彼が私にこの関係を終わらせてくれない。
いつまで?今日の彼はまた私のナイフを喉元に当てる。
8/2/2025, 12:33:34 PM