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#春爛漫

―――


男が道なりに足を進めていた

顔色は暗く、画面を見る目も何処か虚ろ
もはや、足だけが別の生き物のようであった

そんな時、画面上に何かがひらりと舞い降りた

それに明らさまに眉を顰め、手でそれを払った

嗚呼、うっとおしい

ついでと言うように手で注ぐ光を遮ると
男はそのまま、高く聳えるビルへと入っていった



―――



男が道なりに足を進めていた

顔色は暗く、画面を見る目も何処か虚ろ
もはや、足だけが別の生き物のようであった

そんな時、画面上に何かがひらりと舞い降りた

男は一瞬嫌そうな顔をしたが
その落ちてきたものを辿るように少し視線をあげた

すると、どうだろう

一面に、美しいピンク色
零れる光は、その景色をより一層引き立てている

嗚呼、綺麗だ

男の瞳に、光が映る

そして男は視線を戻し
先程より幾分も清々しい顔で、建物へと入っていった


―――

4/10/2026, 10:12:51 AM