ほこり

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街。それは情報量の塊だと、僕は感じる。左を見ては看板、右を見ては看板。上を見てもビルの群れ。目を閉じれば人の声。逃げ場がないほどに、情報に溢れているのだ。
..そうとらえる僕を、人は嫌った。変人と罵り、恐れ、避け、次第に離れて行った。最後に残ってくれたと思っていた、君さえも。そんな僕に、この街に居場所なんてない。
ならば、いっそ「この街になってしまおう」──そう考えた僕はビルの屋上から足を離し、無気力に地面へ吸い込まれていった。「これでやっと─逃げられる。」

6/11/2023, 12:54:27 PM