お題「Love you」
「今日も隣が騒がしいな」
毎日この時間になると、壁越しから大声を上げたり体に響くくらいの騒がしい音が聞こえる。
「俺だって大学の頃良く皆んなで飲んでたけど、こんなに毎日騒いだことないぞ。」
ここに引っ越してきて1週間は経っていた。
呆れた表情を浮かべながら、手に持ってたビールをぐっと喉に押し込んだ
「っかー!うめー!」
「でもそろそろ苦情の1つでも言ってやろうかな、でもなあ、ご近所さんと変な軋轢は生みたくないんだよなあ」
自分自身の性格はよく分かってる。こんな時に迷わず文句を言いにいけるような性格ではない。
「勇気があれば。」
そう呟いた直後
何かがおかしい
一瞬頭をよぎった疑問はすぐビールのアルコールで流された。
毎日の終わりはお酒で終わる。今日も明日も明後日も。
そして
次の日も
「うるさい。何て言ってるか分からないが、とにかくうるさい」
また次の日も
その次の日も
「うるさいうるさい!」
1ヶ月は経っていた
両手にはビール瓶と箸をそれぞれ持ち、用意していたおつまみに箸を持っていく
「今日は絶対苦情を言う!これ食ったら言いにいく!」
「俺はやる時はやる男だ。」
前にも言った事がある。
あの時は。
ーーーーーー
男は玄関を出て
隣の物置きの鍵を開けた
「そうだった。あの時も俺は勇気を出して行動したんだ」
「思い出した」
「君の事。愛してるよ。」
ーーーーーー
後日
1人の女性が保護され1人の男性が逮捕された
周りは獣道ばかりの森の中、決まった時間に近くの山道を歩いてた男性が、一軒家から女性の悲痛な叫び声が聞こえてきたことに気づき、その後通報して発覚した。
完
2/23/2023, 11:18:59 AM