20XX年
夏は毎年最高気温を更新し続けており、その暑さに人類は結局順応している。人間というのは慣れる生き物なのだ。
そんな中季節は巡り、冬。
とある会社のオフィスにて、同僚二人組があるものと戦っていた。
「「あっぢぃー...」」
そう、暑さだ。
「冬だってのにこの暑さは何よ...」
「分かる、夏に改名しろっての...」
この時代では、冬でも夏真っ盛りとでも言うくらいの暑さがあった。
二人は額に汗を滲ませながら、エアコンに身を投じていた。
「十年前くらいまではまだ全然マシだったのにさぁ〜」
「でも当時はその暑さでも喚いてたよねぇ」
「うんうん...いやぁー懐かしい!あの頃に戻りたいわぁ〜」
「雪遊びしたぁ〜い」
成人女性二人が散々喚き散らかしているこの光景。
とうに限界に達していた二人は、頭が働かずにジタバタと動き回りもっと暑くなっていた。
「終わらない夏って感じ〜」
「うわ、天才?まさにそれじゃん」
「なんか曲作れそうだわ」
「良いじゃん良いじゃん、終わーらなーい夏ぅーみたいな?」
「めっちゃいいじゃーん」
学生の頃に戻ったかのようにふざけまくる二人は、最早ここが仕事場だということも忘れているようだった。
「おーい、二人共〜」
「あっ、上司」
「暑いのは分かるけど、そろそろ仕事戻れよ〜」
「はぁーい」
さて、仕事戻るか。
さっきまでの自分達の行動を忘れたのかというほどあっさりと、二人は仕事に戻ったのだった。
#終わらない夏 0817
8/17/2025, 12:20:51 PM