貴方と出会って。
私は日々パステルカラーのような、
暖かい色に包まれていた。
優しさと楽しさと。
最初はそれが続くように
お互い思いやっていた。そう思っていた。
だんだん、当たり前になってきては、
パステルカラーからビビッドカラーになり
濃く鮮やかになっていく。
うまくいく。何故か疑いのない感情。
貴方と一緒に終わりを迎えたいと。
私はそう感じて走っていた。
一人で走っていたのかもしれない。
貴方はどうだったかな。
どんな色に見えていたかな。
独りよがりになっていく。
愛しているのか、依存なのか。
だんだんと寒色系が似合うよう
になっていった。
貴方の帰りが遅い。帰らない日が続く。
私の色が濃く暗く濁り出す。
混濁した女性より鮮明な女性の方が魅力的だと納得するのに時間がかかった。
わかっている。
私は怠けすぎたし、頑張りすぎたのだ。
1人ソファーに座る。隣にはもう居ない。
狭いと感じていたソファー。
苦しい。悲しい。寂しい。憎い。嫌い。
どうして。帰ってきて。会いたくない。
羨ましい。痛い。いたい。
一緒に居たかった。
パステルカラーの思い出は
色がだんだんと抜けていく。
白黒のような。
もともと無かったかのように。
いっそ失くなってしまえば。
私は苦しまなくてすむのでは。
だんだんと薄れて無くなるのを
今は待つしか、私にはできない。
さようなら。あの時の私達。
さようなら。私の愛した貴方。
無色の世界
4/18/2024, 4:00:31 PM