ピノ

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 朝から大掃除もしてご馳走も作って,あとはゆっくり彼とのんびり過ごして,穏やかに新しい年を迎えるだけ

「日向,明けましておめでとう」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 私は確かリビングにいたはずなのに,寝室のベット‥そして年上の恋人が微笑み、こちらを見下ろしている。
 眠気と混乱が残る頭を無理やり動かして,失った記憶をなんとか呼び起こす

 確か‥ご馳走を二人で食べて,歌番組を見ながらこたつでぬくぬくして,お酒も入ってほろ酔い気分で‥そして‥‥そして‥そのまま眠くなって

「‥‥‥もしかして,もう年明けちゃいました‥?」
「うん,10分前に」
「‥‥‥‥‥‥」
「起こしたんだけど,よく寝てたし‥‥コタツだと風邪引くから,ベットに連れてきたんだ」
 私が聞きたいことを答えてくれる彼,私は自分のうっかりさに言葉が出なかった。

「‥‥明けましておめでとうございます,春樹さん」
「うん,おめでとう」

 とりあえず新年の挨拶はしておこうと頭を下げると,春樹さんはニコニコ笑って私の頭を撫でた。

「今年もよろしくね」
「‥はい,私こそ」
「そんなに気を落とさなくても,昨日は朝から忙しかったからね」
「‥でも,春樹さんと一緒に新年を迎えたかったです‥」
「ふふ,そっか」
「春樹さんは,新年何してたんですか?」
「俺?ずっと日向の寝顔見てたよ,俺にとっては最高の新年の始まりだよ」



 

1/1/2026, 1:36:50 PM