「吹雪(ふふぎ)、何をしているのですか」
「天体観測です!」
吹雪もとい機体008号は手に平たい、円盤の様なものを空にかざしていた。
「これ、昔雪から貰ったんです。僕達のいる星の距離を計算して、印を付けたんです」
どうですか?と吹雪は自信満々で自分に見せてきた。
「今、地球から右近くに見えるのでここは春なんです。夏になったら左近くに見えるんですよ。秋はまた右近くに見えるんです。冬もまた左なんですよ」
自分には何故このような事をしているのか理解出来ない。地球から見える星の位置を把握して何になるのだと言うのだ。
「ここの星から見える星の位置を記録した方が有意義だと思われます」
そう言うと吹雪は微かに笑う。
「確かにそうかもしれません。でも僕は有意義よりも娯楽を取る派なんです」
なんて返すと再びその円盤を見始める。
自分は理解出来ないまま、その地をあとにした。
お題 「星空の下で」
出演 夜 吹雪
4/6/2024, 5:18:06 AM