人工的な光に邪魔されない、自然界の尊き輝き。
それが観られるというのも、田舎住まいを選んだ身からすると良いところの一つだと主張したい。
仰ぐ天の中でも一等強く視える彼……その名には「焼き焦がすもの」と言う意味もあるらしい。
分厚い図鑑や検索欄から続くスクロール上での知識ではあるが、一応予習もバッチリだ。
暗闇で置き場や諸々に手間取りながらも、慣れない重みのカメラを構え、ふうと深呼吸をする。
初めから上手く行くとは思っていない。
だからこそ、初心者向けの指南書たちを信じよう。
幼い頃から憧れていた景色を、いつか自分の手でも収めてみたかった。
生い茂る木々に囲まれつつ、障害物の少ない平原っぽい環境を調べて訪れた理由……これは誰にも秘密だ。
【星空の下で】
4/5/2024, 2:58:36 PM