「私とあなたじゃ住む世界が違う 第二十二話」
「今日は、もう遅いから休んでてくれ。誰か、空き部屋に案内頼む」
「マゼンタ、俺がやるわ。お前ら、着いて来い」
オーシャンは、マンションの空き部屋まで案内しました。
「丁度、3部屋あるな。部屋は喧嘩せんように決めや」
「志那は僕と一緒の部屋にしよ」
「あ!ズルいぞ!志那は俺と同じ部屋だ!」
スモークとスプライトは、喧嘩を始めました。
「オイ、志那は俺のクラスメートだから、俺に権利がある」
「あ、言い忘れとったけど、女子は一人部屋な」
オーシャンは、口を挟みました。
「ちなみに、大浴場は地下一階、トイレは階段の側、食堂は二階な。ほな、おやすみ」
オーシャンは、説明が終わると階段を降りて行きました。
「みんな、どの部屋にする?私は、左の部屋が良いな」
「俺とカインドで真ん中にするか」
ロードは真ん中の部屋を見ました。
「じゃ、僕達は右の部屋だね…」
志那達は、部屋に入りました。
そして、次の日の朝、食堂にて。
「おはよー。えーと、君は…」
スカイは、志那の方を見ました。
「斎藤志那です」
「じゃあ、志那ちゃんで良い?朝ご飯出来てるから食べてね」
「あ、ありがとうございます」
志那は、朝食を食べました。
「ごちそうさま!美味しかったです!」
「良かったー!僕の料理、口に合わなかったらどうしようかと思った…」
スカイは、笑顔になりました。
「あれ?カインド達はもう起きてるんですか?」
「うん、大浴場の掃除してもらってるよ」
「え…?」
「ココで暮らす以上、調理場、大浴場、トイレの掃除や、食材調達や調理、洗濯はやらないとね。志那ちゃんは洗濯お願いね」
「は、はい」
志那は、洗濯機が置いてある部屋に行き、洗濯を始めました。
「流石に、人様の家に暮らさせてもらってるから、これくらいはやらないとね」
志那は足元を見ると、ゴキブリを見つけました。
「コレって…どこもかしこも掃除しなきゃいけないんじゃ…」
「志那ちゃーん!当番決めるよ…アレ?」
スカイは、志那を呼ぶと、
「はーい!」
志那は、洗濯部屋の掃除をしていました。
「志那ちゃん!ソコ、掃除してくれてありがとー」
スカイは、感激していました。
志那達が、マンションで暮らす様になって一週間が経過しました。
「おー、志那。今日はトイレ掃除か?」
カインドは、食材の入った袋を持っていました。
「うん、そうだけど…いつになったら、技とか術を教えてもらえるんだろう…?」
志那は、つぶやきました。
「そうだよな…単に良いように使われてるだけに見えるような…?」
「炊事、掃除、洗濯も修行のウチやで?」
スノーは、二人の背後から現れました。
「スノーさん!」
「驚かさないで下さいよ…」
「えーと、二人…名前何て言うたかな…?」
二人は、自己紹介しました。
「志那、カインド。技や術教えたるからコッチ来い」
スノーは、二人を道場に案内しました。
「うわぁ!デッカい!」
道場は学校の体育館を10棟程並べた様な大きさで、最新の設備を整えた立派な物でした。
「コレぞ、俺達の稼ぎの力やな!」
スノーは、自慢気でした。
「スノー!連れて来たよー!」
スカーレットは、スモークとスプライトを連れて来ました。
「コッチも、連れて来たよ」
スカイは、ロードを連れて来ました。
「じゃ、始めるか。ノアールはカインドを、スノーはスモークを、俺はスプライトを、ロードはオーシャンが担当や」
マゼンタは、配置を決めました。
「あの…私はどうなるんですか?」
志那はマゼンタに聞きました。
「せやな…志那は武器の使い方からやから…スカイかスカーレットが担当してくれんか?」
「あ!僕がやります」
「じゃあ、スカイに任せた。スカーレットはアメジストと一緒に雑用やっといてや」
「うん、分かった!」
スカーレットは道場を出て、残りは各々の配置に着きました。
「志那ちゃん、よろしくね」
「こちらこそ、よろしくおねがいします」
9/20/2022, 10:28:48 AM