知柳

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『夢を見てたい』

私がこの世界で何よりも愛している彼の人の前に立つ勇気が出ないのは、好きを拗らせすぎたのもあるだろうけど、きっと夢を見ていたいからであるに違いなかった。

あの人には、恋人のように甘い対応をして欲しかった。あの人には恋人がいるから、そんなの高望み以外にないけれど。
きっと勇気をだして目の前に立ったとして、塩対応などされた日には枕どころかベッドがベチョベチョに濡れてしまうだろう。
夢から醒めた心地になり、きっとしばらくの間彼の人を嫌いになってしまうかもしれない。

私は、所詮あの人に夢を見ているだけの古の夢女子なのだ。
だから、恋人のように甘い彼の夢を見続けていたいのだ。きっとこれからもそうだし、彼の前に立てるようになるのは、彼の夢から醒めて新たな人物に夢を見始めた時なのだろう。

少なくとも暫くは、彼の夢を見ていたい。

1/14/2023, 8:08:25 AM