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「流れ星に願いを」

双子座流星群がもうじき見られるという話を聞いた私達天文学部はとある場所へと向かった。大学から少し離れた所に位置している山である。天に最も近いであろうこの山は、地上の光など遥か遠くで一切届かない。あるのは天から降り注ぐ月明かりと星の光だけだ。
「晴れて良かったな。雲もほとんどないから星がよく見える」
「そうですねー部長」
 冷たい夜風が肌を撫でる、山上ということもあって余計に冷え込む。こういった場所のほうが都合が良いから仕方ないんだけど。
「あ、流星群始まったよ!」
 満天の星空と降り注ぐ流星が視界いっぱいに映る。ここにいるのは星に魅入られた同士、進む道は違えど星に対する思いは同じだ。
 来年も、またこうやって星が見られますように。

4/26/2024, 9:22:51 AM