死んだ人は星になるというので、夜、家の裏山に登って、空へと手を伸ばしてみました。
ただ伸ばしただけでは足りないようで、背伸びをして、うんと肘を伸ばして、精一杯手を伸ばしました。それでも私の幼い指先は何も掴むことができなかったのです。
星はとても遠い場所にあるようでした。きっと木登りをしてもジャンプをしても、再びあの大好きな手と手を繋ぐことはできないのでしょう。抱きしめてもらうことも、頭を撫でてもらうこともできないのでしょう。
なので、私は叫びました。
「ねえ!」
空に向かって、叫びました。
「会いたいなあ!」
私の力いっぱいのお願いは、夜の山に静かにこだましていきました。
10/14/2023, 4:57:09 PM