霧夜

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大好きな人と離れることは、とっても辛い事。
でも、生きていく上で、「離れることなくずっと一緒」
と言うのは中々難しい、

...だから、だから。

「離れても...ずっとずっと一緒だよ」

せめて...ココロは...心の中では...ずっと一緒でいさせてよ。

---二作目---

はなればなれは嫌だった。


ずっと一緒にいたかったから。

そんなのただの我儘だってことは分かっているし、ここは笑顔で別れた方がいい事なんてわかっていた。
...分かっていたはずなのに。

「...ッ!...ふ、うぅ...」

俺の目からは、止めどなく涙が溢れ出してくる。
多分顔もぐしゃぐしゃで、だらしない顔をしているのだと思う。

「...ふはッ...そんなに泣くなよ...な?」

そんな中でせいらは、まるで子供をあやすかのように、頭を優しく撫でてくれていた。抱き締めてくれた。
...あぁ、本当に俺はなんて情けないのだろう。
悲しさと、寂しさが爆発して。顔も感情もぐちゃぐちゃになって、、
無様に泣いて、あやされて、...笑顔でお別れしようと決めていたのに、それすらまともに実行できなくて。

「...大丈夫だ...絶対に一生会えないって訳じゃない...だから...」

「...そんな悲しそうな顔...ッ...するな...こ、ちまで悲しくなるだろう...ッッ」

その時...初めて、せいらも泣いてるんだってことに気がついた。
悲しくても...なんだか、「せいらも同じ気持ちなんだな...」って事が、凄く嬉しくて...

「...せいら...」

「?どうした...ん、だ...」

「離れても...どんなに離れてもッ...また会おうな...」

「!...あぁ...約束、だ」

...どんなに、離れても。
二人で繋いだこの誓が、きっと俺たちをまた引き合わせてくれるだろう。

#はなればなれ
120作目

11/16/2023, 11:56:21 AM