récit

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カエル君は赤ちゃんの時はお魚のような姿をしていた。
成長するにつれ細長い四肢が伸び、ぴょんぴょんと跳ね回って、水辺の草の上の小さな虫を巧みにからかい食べてしまうのだ。
カエル君は上手に変身できたことをとても誇らしく思っている。
彼は過去を振り返らない。後悔というものを知らない。

冬の間、カエル君は土の中で静かに眠りについて春の訪れを待つ。
目覚めたら、彼はキツネザルになれるのではないかと期待を抱き、木の上を歩く夢を見ている。
でも、残念ながら目覚めても、カエル君はいつまでもカエルのままである。
未来への過度の期待が落胆を招くということを、彼はまだ知らない。

「明日に向かって歩く、でも」

1/21/2025, 5:10:16 AM