眠井

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君の背中を追っていた
ずっと走っていたかった
いつからか横に並んだ
走るのをやめた
歩き始めた

息を切らし
足を前へ前へと
手のなる方へと
君の背中以外見えてなかった
あのころの僕
君を捕らえておきたいのは、
あのころの僕

いまの僕は
いまの、僕は
泥のような思考の中で
君の手を離そうとして
何かがはじけて覚醒する
胡乱な円環を回していて
直線じゃないのはきつくて

世界の輪郭がほんの少しだけ見えてきて
代わりに君の顔が
なんだか見えにくくなってしまったみたいだ

君の背中を追っていたかった

6/21/2025, 2:26:24 PM