数年ぶりに君に会った。
君は相変わらず天真爛漫で、よく笑い、楽しそうに話した。
会わなかった何年かの空白を全く感じさせないようなその様子に、私は随分安堵した。
会って話をしたのはほんの数分だった。
君は再会を喜び、私ののんびりとした相槌にきらきらと笑い、それじゃあね、と言ってお別れをした。
唐突に現れては風のように去っていった。
そうだ、君はそんな人だったね。
その距離感が私にとっては心地よかったことをじんわりと思い出した。
君がいなくなって私はまたポツリと一人残される。
静かに佇んで君が残していった余韻を楽しむ。
別れ際君は、またゆっくり話をしようと言った。
君は嘘をつかない。
きっと近々、必ず会いに来てくれるのだろう。
まだ、心臓がドキドキしている。
ほてった頬を冷ますように、私はゆっくりと歩き出した。
『微熱』
「Sky 星を紡ぐ子どもたち」より
11/26/2024, 11:37:17 AM