あるところに小さな町がありました。その町はまだ人口が少なく、町で利用できる施設も少ない状況でした。もっとみんなが楽しく過ごせるようにするにはどうすればいいだろうかと、若き町長は悩みます。
ある日、町長は考えました。自分は読書をすることが好きだ。町民の中にも確か読書をするのが好きだった者がいたはずだから、みんなで好きな本を持ち寄ってみたらどうだろう。
そうして町中の本好きが集まり、自分の好きな本を互いに紹介しあいます。
するとどうでしょう。今まで読書は一人で楽しむものと思っていた町民達は、自分の知らない面白そうな本がまだまだたくさんあることを知り、互いの好きな本を互いに貸し借りしあうようになったのです。
この日以来、町には読書を趣味にする人が増えました。この町のシンボルともいえる大きくて立派な図書館は、その日の出来事をきっかけにして造られたのだと、後に年老いた元町長は誇らしげに語りました。
【好きな本】
6/16/2023, 5:09:10 AM