SAKU

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なんで教えてくれなかったのかと口を尖らせる同僚に苦笑を返す。秘密主義だなんだと文句を言われたが、性分によるものなので自分には直しようもないのに。
主従という関係にかつて——もしくは未来——あった、今は相棒にお似合いだと言われる始末である。
詐欺や思わせぶりな態度が得意なひとでなしに比べられるのは抗議をしたいところだが、人間の心を持っている分自分の方が非道だと一蹴されてしまった。
そこまでいわれることかと眉根を寄せると相手はベッドの上で天井を仰いだ。
人の事情に踏み込むことをあまり好まない相手が自分に甘えているというのはなんとなくわかっていたけれど、やはり性分は変えられない。
なんの反応も示さない様子にさらに拗ねたのか友達でしょうと膨らませる頬にぼんやりと、地球人と宇宙人が指先を合わせる映画を思い出した。
友達——そんな不確かで信頼で成り立つ関係なんて、自分には贅沢にすぎる。
曖昧に笑った自分に、耐えきれないと声をさらに荒げる相手の、拠り所にはなりたいけれども。

7/25/2024, 9:36:52 AM