燈火

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【友情】Other Story:B


スキ、キライ、スキ、キライ、スキ。
一枚ずつちぎる私の呟き、誰にも聞こえていないよね。
花弁の枚数が奇数だと信じて「スキ」から始める。
運任せにみせかけたイカサマ占い。

でも、やっぱり、「キライ」であってほしいかも。
スキなら告白する。キライなら秘めたまま。
勝手に決めた自分ルールで失敗すること2回。
二度あることは三度ある。三度目の正直でも喜べない。

キライ、スキ、キライ、スキ、キライ。
禿げていくたんぽぽが可哀想に思えてきた。
どんな花でも良かったけど、これを選んだ理由は単純。
花弁が多くて、どこにでもある花だから。

それから、少しの憧れもあるかもしれない。
アスファルトを割って咲く力強いイメージ。
何度踏まれても立ち上がり、道の端で輝いている。
その姿を眩しく思いながら、摘み取った。

スキ、キライ、スキ。枚数が減るほどに察する。
これ、「キライ」で終わりそう。
ほっと息を吐いた私の意気地なし。
告白しなくていいんだ、って。安心してしまった。

最後までちぎるのが惜しくなって、くるくる回す。
残るは8分の1ぐらい。こんな行為に意味はないのに。
じっと見つめて考える。再開しようとして手が止まった。
あれ。次はどっちだっけ。

スキ? キライ? わからない。
思い出せないのをいいことに、ぶちっとまとめてちぎる。
曖昧にした結果はまた次の機会に預けて。
今はまだ、変わらない関係に甘えていたい。

7/24/2024, 8:47:19 PM