「暑いな…」
容赦なく照りつける太陽を睨みながら首筋の汗を適当に拭った。今日はここまでにしておこうか、これ以上は倒れそうだ。
それに、
「…今日は来ないか」
別に約束をしていたわけでも無い。ただ自分が待ちたくて待っているだけ。来るかどうかわからないのに、1人で待って1人で勝手に落ち込んで。
馬鹿みたいだ。
目を伏せ自嘲した笑みを浮かべていると、それさえも責められる様な陽射しが急に陰った。
「!」
「汗だくだな、倒れるぞ」
そう言い被せられた麦わら帽子。涼しくなったはずなのに、頬の火照りだけは一向に治らない。口を開こうにも上手く出て来ず、結局麦わら帽子も深めに被り直した。
「ははっ似合ってる」
そう言って太陽より眩しく笑った彼に、今後こそ倒れそうなぐらい熱くなった。
8/11/2024, 11:30:40 AM