この関係性とこの感情に形なんてないと
自制するための言い訳でしかなかった。
嫌われたら。
疎まれたら。
いなくなってしまったら。
いつどうなるか、明日のことさえもわからないのに浮ついてるみたいで嫌だからというのは己の自尊心の高さで。
そんな馬鹿みたいに高い壁なんて、基地のバリケードよろしく建てることないと、あの人は言っていた。
叶うならば連れ戻したい。
叶うならば側におきたい。
両手に収まっていてくれるような彼女ではないことはわかっているけれど。
「俺は、あの人が──なんだ」
EoS914/『形のないもの』
9/24/2024, 10:59:00 AM