誰もいない教室
こほこほ咳する私がいる。
目線をあげればいつもの教室。
だけども誰もいない、私だけの教室。
私だけの、空間。
何もない。
午前の日差しに照らされて塗装に煌めく学習机。
防災対策に敷かれた薄い座布団も、誰も座ってない。
白いレースを翻しながら扇風機とクーラーはデュオを。
誰もいない演奏会。
いるのは私一人だけ。
誰もいない教室。
誰もいない教室、だからできる。
ここでは誰もが主役になれる。
今日の主役は私なの。
空いた空間で木材を奏でる。
ずっとずっと廻ってる。
楽しいから。
それが居場所だから。
9/7/2025, 10:01:14 AM