未完成の佳作

Open App

小さい頃の私は
胸いっぱいに透明な花束を持っていた。

それは、あまりにも綺麗で、
大人達や友達は無情にも
素手で触っていった。

段々と透明さを失くして、散っていく。
私は悲しんだ。
周りは、綺麗でなくなる花束を見ては
興味をなくし離れていった。

なぜ、なぜ、私から花束を奪うの?
私の大切な花を散らしては、
知らんぷりをするの?

私の綺麗な花束は
赤黒く、孤独な色になる。

触れた相手を傷つける棘と毒を含んで。

やめて、もう、触らないで。
一生懸命、自分を守るための自己防衛。
か弱く脆い私の花たち。

お願いもう、傷つけないで。

               繊細な花

6/25/2024, 10:29:42 AM