ひどりみ

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【この場所で】

 私はまだ、君を自宅へ招いたことはない。時折、ここで同じ時を過ごせればどんなに幸せかと考えることがある。私たちは何をするだろうか。
 ゲーム。私は対戦型ゲームを持っていないから、戯れながら協力プレイをすることになる。
 だべり。何もせずとも、近い距離を感じるだけで私は満たされるだろう。
 食事。料理を振る舞って、君に美味しいと言ってもらえたなら、私は他の何でも満たせない達成感に包まれると思う。
 睡眠。君に寄り添って眠ることは、私が体験した中で最も心地いいものだった。
 全ての瞬間が特別で、なにより幸せで、一時一時が過ぎて欲しくない瞬間になると分かっている。だからこそ、私はその幸せを迎えたい。

 けれど、同時に思う。君がいなくなってしまった後、わたしはきっと寂しさに耐えられなくなってしまう、と。
 今でさえ、ほんの少しのきっかけで君と過ごした時間がフラッシュバックしてどうしようもなく恋しくなるというのに、この場所で過ごした思い出が出来てしまっては、きっかけと共に暮らすことになってしまうから。
 何もしていなくても君の姿を思い出し、眠っても君の夢を見て、気を紛らわすために触れるものすら君の存在を思い起こさせるだろう。

 それがどうしようもなく苦しくて、寂しくて、とても幸せだろうと、今日もこの場所で思った。

2/12/2026, 9:33:35 AM